Strapiのシステムは、コンテンツの登録と管理、API経由の配信、既存業務システムとの連携を組み合わせ、複数の画面へ情報を届けます。
導入の判断に必要な論点を、見出しごとに順に確認します。各テーマの詳細は関連記事にまとめています。
▼関連記事一覧
・Strapiのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・Strapiのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・Strapiのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・Strapiのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
Strapiのシステムの概要

Strapiのシステムは、管理画面で登録した構造化データをAPIで配信する仕組みです。
表示側は、別のフロントエンドで開発します。
従来型CMSでは管理画面と表示ページが一体化しているのに対し、Strapiはコンテンツの基盤を切り出す構成です。そのため、同じ商品、記事、施設、FAQを複数の画面で再利用できます。
Strapiが担当するコンテンツとAPI基盤
Strapiを使う際は、編集、配信、連携の役割を分けて考えます。
- 編集と配信:管理画面の情報を、REST APIまたはGraphQL APIで返します。
- 画面表示:Next.js、Nuxt.js、React、Vueなどで、データを描画する部分。
- メディアと通知:画像・動画は管理機能で扱い、公開の通知はWebhookで行います。
- 検索と業務連携:検索サービスや既存業務システムとつなぎます。
- コンテンツ管理機能:Content-Type Builder、Content Manager、Componentを使います。
ほかに、Dynamic Zones、Media Library、Relationもあります。
下書き・公開、多言語、APIトークン、管理画面のロール・権限も備えています。
公式ドキュメントでは、Live Preview、Content History、Audit Logsなども、Strapi 5の機能として案内されています(出典: Strapi公式ドキュメント、2026年8月確認)。
Strapiと基幹業務システムの役割分担
Strapiはコンテンツ管理に強い製品なので、導入時は業務処理と情報配信の担当範囲を分けます。
- 基幹業務:受発注、会計、在庫引き当て、給与計算は標準機能の対象外です。
- 専用システムとの分担:正確な取引、複雑な承認、厳格な個人情報管理は、別に設計します。
Strapiは、情報を届けるポータルやコンテンツ層として使います。たとえば、商品マスタは基幹システムで管理し、公開用の商品説明、画像、比較記事、FAQだけをStrapiへ同期できます。
Strapiに置くデータの正本、更新責任、同期頻度、障害時の扱いを先に決めておくと、導入後の混乱を防げます。
ヘッドレス構成による複数チャネルへの配信
ヘッドレス構成では、同じコンテンツを複数の画面やチャネルで活用できます。
- 配信先:Webサイト、スマートフォンアプリ、会員向け画面、ECフロント、社内ポータル、デジタルサイネージに同じデータを届けます。
- コンテンツ再利用:表示側を変えても、管理画面やモデルは再利用でき、別CMSへの重複入力も減らせます。
- 別途設計する機能:管理画面だけではサイトが完成せず、フロント、認証、キャッシュ、検索、画像最適化、監視も必要です。
- 運用の確認:技術者と編集者が早い段階から加わり、日々の更新が無理なく続くかを見ます。
Strapiの種類とシステム構成
構成は、ライセンスや実行場所といった大きな選択と、API・フロントエンド・データベースの選択に分けて考えます。
判断は、編集機能や運用体制を中心に、データの配置やアクセス数、将来のチャネル数も含めて行います。無料か有料かは、その一部です。
Communityと有料機能の選び分け
必要な編集機能と運用レベルに応じて、CommunityとStrapiの有料機能を選びます。
- Community:基本のコンテンツタイプ、管理画面、API、ロール・権限を備え、小さなMVPで編集フローやモデルを検証できます。
- 有料機能:複雑な承認、SSO、監査ログ、コンテンツ履歴が必要なら、GrowthやEnterprise相当を比べます。
- 契約範囲:ホスティングとCMS機能は、別々に確認する項目です。
CMS機能ライセンスとホスティング料金は別に計算されます。2026年2月・7月更新の公式サポートでも、別製品として説明されています。
Cloudの有料プランでも、Content History、Review Workflows、SSOが自動で含まれるとは限りません(出典: Strapi公式サポート、2026年)。このため、機能ごとに契約内容を確かめます。
セルフホストとStrapi Cloudの運用責任の違い
実行場所は、自社での制御範囲と運用負担を軸に選びます。
- セルフホスト:社内基準やデータ配置の制約が強い案件で検討します。
- Strapi Cloud:運用負担を減らしたい場合に候補となります。
セルフホストは主要クラウドや自社サーバーに配置し、構成を細かく決められます。その対象は、ネットワークとDBです。
ほかに、バックアップ先やログ保管場所も対象です。WAFや監視、更新時期も含まれます。
セルフホストの障害対応、パッチ適用、証明書更新、復元テストは、自社または委託先が担います。
Cloudでは、ホスティング、PostgreSQL、メディア用CDN、オブジェクトストレージ、メールを利用できます。ログや設定用のダッシュボードもあります。
料金にはホスティングが含まれますが、CMS機能ライセンスは別契約です(出典: Strapi公式サポート、2026年7月)。
Cloudは運用負担を減らしやすい一方で、ネットワーク制御、リージョン、契約上の責任の範囲、バックアップの復元方法は導入前に確かめます。
API、フロントエンド、データベースの役割ごとの選び方
API、フロントエンド、データベース、画像は、それぞれの役割に応じて選びます。
- API方式:RESTまたはGraphQLのうち、要件に合うほうを選びます。
- 画面方式:検索流入を重視するならSSR・SSG対応のフレームワーク、管理画面が中心ならReactやVueなどの業務アプリ向けを選びます。
- データベース:本番はPostgreSQLを第一候補に、既存資産、運用者の経験、拡張要件を踏まえて決めます。
- 画像配信:オブジェクトストレージとCDNに分けた構成。
RESTは一般的なHTTPクライアントや外部システムから扱いやすく、構成も理解しやすい方式です。
GraphQLは、必要な項目や関連データをまとめて取得したい画面で候補になります。
公開範囲、認証、クエリの深さ、キャッシュ、レート制限を設計せずにAPIを公開すると、情報漏えいや過剰な負荷につながります。そのため、方式を決めるより先に、契約と制御を定めます。
さらに、大容量ファイルはAPIサーバーに集中させない構成にします。
Strapiのシステムが向いているケース・向いていないケース
採用は、コンテンツの種類や配信先、編集者による更新、外部データ連携を確かめてから決めます。オープンソースで費用を抑えられることや、API方式であることは、その後に比べる材料です。そのうえで、管理の自由度と運用負担のバランスを評価します。
複数チャネルや複数ブランドへ配信する案件
複数の配信先やブランドを扱う案件では、コンテンツを構造化して一か所で管理できます。
- 複数チャネル:Web、アプリ、会員サイト、社内ポータルへ同じ情報を届けます。
- 多様なコンテンツ:記事、商品、施設、講座、求人、FAQを構造化します。
- 多言語・複数ブランド:言語、ブランド、公開地域、関連コンテンツをモデル化します。
データを画面ごとに持たず、名称変更や公開停止を一か所から各画面へ反映できます。
Strapi公式の2025年事例では、24チャネルへの配信、90万件超の記事管理、7つの外部サービス連携が紹介されています。
この規模が、すべての案件で必要になるわけではありません。コンテンツ基盤と連携設計を分けて拡張できることを示す材料として見ます(出典: Strapi公式ケーススタディ、2026年更新)。
編集部門と開発部門が分かれている案件
編集者による自律更新を進めるには、画面と入力項目を運用に合わせて設計します。
- 編集フロー:編集者が登録、下書き、確認、公開、更新を進める流れ。
- コンテンツ部品:Content Type、Component、Dynamic Zonesの使い分け。
- 入力設計:項目名、必須入力、例、プレビュー、公開権限の設定。
タイトル、概要、画像、関連リンク、SEO情報を一定の形式で管理できます。実際の編集者がサンプル記事を登録し、迷う箇所を洗い出します。
自由度が高いと、管理画面の項目が増え続けます。技術者だけで設計を進めず、編集者が迷わない最小限の部品から始めます。
厳格な基幹処理が目的の案件での注意点
Strapiを選ぶ前に、案件の目的と運用規模を照らし合わせます。
- 複雑な基幹処理:複雑な会計仕訳、在庫の同時引き当て、給与計算、決済処理だけが目的なら慎重に検討します。
- 失敗時の損失:処理失敗が直接金銭損失につながる場合、Strapi単体を中心に据える設計は慎重にします。
- 利用者が少ない:編集者がほとんどおらず固定ページが少数なら、静的サイトや既存CMSで費用・運用負担を抑えられる場合があります。
- 採用理由:再利用、API連携、複数チャネル、権限分離から一つ以上を数値で示します。
金銭損失につながる処理をすべてカスタム実装すると、大規模なバックエンド開発になり、更新時の検証範囲も広がります。
Strapiのシステム開発の進め方

まず業務目的と配信先を定め、そのあとでコンテンツモデル、API、画面、連携、運用を順に具体化します。管理画面を先に作るのではなく、データの設計から進めるのが基本です。
全コンテンツを一度に移す前に、重要な編集・公開フローをMVPで検証します。問題がなければ、対象範囲を広げます。
▶ 詳細はこちら:Strapiのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
要件定義での利用者・コンテンツ・KPIの整理
見積もり可能な要件にするため、利用者、作業量、成果指標を整理します。
- 業務フロー:誰が何を作成・確認し、どのチャネルへいつ公開するかを定めます。
- 規模の条件:編集者・承認者数、言語・サイト数、件数やアクセスを確認します。
- KPI:公開時間、依頼件数、更新ミス、検索流入などから選ぶ指標。
月間の更新数とピーク時のAPIリクエスト数も、見積もりの条件にします。
「公開速度を上げたい」場合は、企画から公開までの日数を現状と目標で比べます。編集フローと画面の改善も含めて評価します。
将来の再利用を見据えたコンテンツモデルの設計
コンテンツの種類と再利用の有無に応じて、モデルと関連付けを決めます。
- モデルの選択:Content Type、再利用Component、単一ページを使い分けます。
- 著者情報:著者を独立させ、記事とRelationで結びます。
- 入力項目:必須項目、文字数、画像、状態、URL、SEO情報を定義します。
- 公開条件:言語、地域、公開開始・終了日時を確認します。
対象には、記事、著者、カテゴリがあります。商品や店舗、FAQ、キャンペーンも対象です。
著者を本文へ直接入力すると表記が揺れやすくなる一方、独立したモデルで管理すれば、別の記事からも同じ著者情報を使えます。
Dynamic Zonesは便利ですが、自由に追加できる構成では画面ごとの例外が増え、移行とテストが難しくなります。
編集者が迷わない最小限の部品から始めます。
API・認証・権限の設計とフロント側の確認
APIの公開範囲、認証、権限、フロント側の応答を、まとめて設計します。
- データの境界:Public API、ログイン後、管理画面だけで使う項目を分けます。
- 権限管理:編集・承認・公開・削除を一人に任せず、職務分掌に沿って権限を設定します。
- フロント:遅いAPIへのキャッシュ、画像配信、エラー表示、下書きプレビュー、公開直後の反映を確認します。
GraphQLでは取得できる深さやフィールドを制限します。
RESTでも不要なRelationを一度に返さず、認証情報や秘密鍵をソースコードへ書かないようにします。
移行・テスト・教育を分けた本番への進め方
本番移行は、データの準備、テスト、段階公開の順に進めます。
- 移行準備
- テストとリハーサル
- 段階公開
移行前に洗い出す対象は、件数、HTML構造、画像です。
ほかに、添付ファイルやURL、リダイレクトも対象になります。公開日時、著者、カテゴリ、検索用メタデータも洗い出します。
テストは、画面の表示確認に加えて、移行の試行で件数、リンク、画像、表示崩れ、権限を確かめます。
テストの対象は、編集・承認・公開・差し戻し、API認証、権限境界、検索、画像アップロード、負荷です。
バックアップ復元と障害時の切り戻しも検証します。v4からv5では、プラグイン、カスタムAPI、データ構造、レスポンス形式も対象です。
ステージング環境で本番データの複製を使い、リハーサルします。編集者向けの操作、開発者向けのモデル定義、運用者向けの監視・復旧の手順も残します。
全社へ一度に展開せず、まずは一つのサイトや部門から始めます。公開時間、問い合わせ、エラー、API負荷を確かめ、そのうえで対象を広げます。
Strapiのシステム開発にかかる費用相場

費用は、ソフトウェア利用料に加えて、次の作業をまとめた総額で考えます。
- 設計と移行:要件定義、モデル設計、移行
- 画面と連携:フロントエンド、外部API連携
- 基盤と品質:インフラ、テスト
- 教育と保守:教育、保守
以下の金額は、Strapi案件の一般的な推定レンジです。公式の一律見積もりではないため、コンテンツ件数と連携範囲を前提に比べます。
▶ 詳細はこちら:Strapiのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
技術検証・小規模MVPの費用目安(100万〜300万円)
Strapi初期構築、数種類のコンテンツタイプ、基本権限、簡易フロントエンド、テスト環境を含む技術検証や小規模MVPは、100万〜300万円程度が目安です。
期間は1〜2か月程度です。ただし、既存データ移行、会員認証、決済、複雑な検索を含む場合は、この範囲を超えやすくなります。
完成版の全機能を作るより、記事の登録と公開、複数画面でのデータ表示、権限分離を確かめることを優先します。また、PoCで不明点を解消しておくと、本開発に必要な作業が明確になります。
企業サイトやメディアの費用目安(300万〜800万円)
企業サイトやメディアの刷新では、対象範囲と移行量が見積もりの判断材料になります。
- 費用:300万〜800万円程度が目安です。
- 期間:2〜4か月程度を見込みます。
対象にはデザイン、Strapi構築、数百から数千件規模の移行、フォーム、基本権限、公開環境が含まれます。
見積書では、Strapiの設定費だけが安く見えないよう、関連費用も項目別に記載してもらいます。対象は、フロントエンド、移行、検索インデックス、SEOリダイレクト、アクセシビリティ、編集者教育です。
ページテンプレート数、画像変換、リダイレクト量、承認フローの複雑さで期間は変動します。
Strapi設定費とは分けて見積もり、移行対象の整理や原稿修正を発注者と開発側のどちらが行うかも確かめます。
多言語・複数サイト・連携案件の費用目安(800万〜2,000万円)
連携範囲や可用性の要件によって、費用と期間は大きく変わります。
- 多言語・連携案件:800万〜2,000万円程度、4〜8か月程度が目安です。
- エンタープライズ:2,000万〜5,000万円以上となる場合があります。
多言語や複数ブランドに加え、会員機能、商品データ、外部検索、CRM、分析、基幹システムとの連携が対象になります。
連携先の仕様調査、データの正本管理、認証方式、言語別の公開ルールが複雑だと、要件定義に時間がかかります。
上位案件では、SSOと監査ログが加わるほか、複数環境や大量データへの対応も対象になります。
可用性と災害対策、細かなロール、段階移行も加わります。
公式事例には、90万件超の記事、100万以上の月間訪問者、24チャネル配信があります。ただし、同規模を実現するには、インフラ・検索・運用設計への別途投資が必要です(出典: Strapi公式ケーススタディ、2026年更新)。
ランニングコストの内訳(Cloud・インフラ・保守)
継続費用は、Cloud、セルフホストのインフラ、保守に分けて確認します。
- Cloud:プラン料金と契約時点の条件を確認します。
- セルフホスト:サーバーやDBなどの運用費を含めます。
- 保守:対応範囲に応じた費用を見積もります。
2025年3月の公式料金改定では、CloudはFreeが0ドル、Essentialが月15ドル、Proが月75ドル、Scaleが月375ドルでした。年払いは月払いより20%割引でした。
2026年7月更新の公式サポートにはFree、Starter、Pro、Businessの表記もあります。プラン名、料金、APIリクエスト数、ストレージ、バックアップ、環境数は改定されます。
契約時は、現行の料金ページと見積書を確認します(出典: Strapi公式料金案内・公式サポート、2026年)。
セルフホストでは、サーバーとDBに費用がかかります。ほかに、ストレージやCDN、監視も費用の対象です。
ログやバックアップ、メール配信にも費用がかかります。
保守運用は、初期開発費の年15〜25%程度、または月15万〜80万円程度が参考です。24時間監視、脆弱性対応、障害復旧、移行、追加開発の有無で変わります。
比べるときは、月額に加えて、年間の総保有コストで見ます。
Strapiのシステム開発会社・ベンダーの選び方
Strapiの経験に加えて、コンテンツ設計、フロントエンド、API連携、移行、セキュリティ、保守まで一体で考えられるかを確かめます。
信頼できる提案は、自社の業務や運用条件を質問したうえで、採用しない方がよい構成まで説明できるものです。
Strapi v5の経験と移行実績の確認
技術経験と移行実績は、対応範囲や検証方法を軸に確かめます。
- 開発経験:バージョン、Communityと有料機能、カスタムAPI、プラグイン、REST・GraphQLの経験を聞きます。
- 運用機能:下書き・公開、多言語、権限の経験を聞きます。
- 移行と実績:移行計画と案件の規模・支援内容を確かめます。
v4からv5では、データ構造、レスポンス形式、プラグイン、カスタムコードを検証します。
移行リハーサルと切り戻し計画まで示せるかも見ます。
実績では、コンテンツ件数と編集者数を聞きます。ほかに、配信チャネルや月間アクセスも聞きます。
外部連携や移行期間、運用支援の範囲も確かめます。
固有名詞を開示できない場合も、匿名化した構成図や画面、課題、担当範囲、テスト方法で経験の具体性を評価できます。
見積もりの作業範囲と責任の分け方
見積もりは「Strapi構築一式」でまとめず、作業のまとまりごとに分けて比べます。
- 設計と構築:要件定義、モデル設計、管理画面、API
- 画面と移行:フロントエンド、デザイン、データ移行、検索
- 公開と運用準備:インフラ、テスト、教育、保守
Cloudやセルフホスト、CMS有料機能のライセンス、追加プラグイン、外部サービスの従量課金も、別欄に記載してもらいます。
データの正本と原稿整備、画像の権利について、担当を決めます。
バックアップや脆弱性修正、障害受付も、担当を決めておきます。更新やドメイン、SSL証明書、ログ保管の担当も決めます。
責任の範囲は契約書と運用設計書に残します。「公開後も無償で対応」などの曖昧な表現は避け、対応時間、範囲、追加料金の条件を明記します。
契約前に確認する成果物・権利・保守の条件
契約前に、成果物、権利関係、終了後の引き継ぎ条件を確認します。
- 成果物:復旧や引き継ぎに必要な資料・設定を含めます。
- 権利と責任:著作権、ライセンス、再委託、脆弱性対応を確認します。
- 契約終了後:アカウントや資産を返還できる条件にします。
納品物に、ソースコードとDB定義を含めるかを決めます。ほかに、コンテンツモデルやAPI仕様、環境設定、インフラ定義も、含めるかを決めます。テスト結果や操作マニュアル、バックアップ手順も、含めるかを決めます。
環境変数やデプロイ手順がなければ、別の担当者はソースコードから復旧できません。そのため、引き継ぎ可能な状態を成果物として定義します。
著作権と改変を確認します。ほかに、再利用や第三者ライセンス、OSSの表示義務も確認します。
再委託先や脆弱性修正の責任も、契約前に確かめます。
社内運用へ移す場合は、契約終了後に管理権限、Cloudアカウント、ドメイン、リポジトリ、バックアップを返還できる条件にします。
▶ 詳細はこちら:Strapiのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:Strapiのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
Strapiのセキュリティと保守の確認事項
Strapiは柔軟に拡張できますが、公開設定やカスタムコードの品質は導入者の責任です。
管理画面と公開APIは別物として扱い、アクセス経路、権限、秘密情報、ログ、バックアップ、更新手順を運用ルールに定めます。
API公開範囲・CORS・RBACの実装時の確認
公開範囲、CORS、認証、権限を設計し、本番前の確認項目をそろえます。
- APIと権限:公開データ、認証、ロール、管理画面の接続元を絞ります。
- CORS:許可オリジンを明示し、Originを無条件には反映しません。
- 本番前:認証、HTTPS、制限、監査ログ、異常検知を確認します。
- 個人情報:保存を最小限にし、保護・削除・記録の要件を整理します。
2025年10月公開の公式アドバイザリでは、Strapi 5.20.0未満にCORS設定の問題がありました。管理者認証情報を含むリクエストを攻撃者が送れる可能性が示され、5.20.0以降が修正版です(出典: Strapi公式GitHub Security Advisory、2025年)。
本番前には、不要な管理ユーザーを削除し、秘密情報は環境変数で管理します。入力値の検証も確かめます。
個人情報を扱う場合は、保存項目を最小化します。暗号化、保管期間、削除依頼、委託先管理、アクセス記録を、法務・情報システム部門と整理します。
アップデートとバックアップの定例作業
更新と復元は定例作業として、担当者と検証内容を決めておきます。
- 更新管理:脆弱性を確認する担当者と頻度を定めます。
- 更新検証:環境を分け、互換性を確かめてから切り替えます。
- バックアップ:復元を試し、復旧目標時間と時点を決めます。
対象は、Strapi本体、Node.js、依存パッケージ、プラグイン、OS、コンテナイメージです。開発・検証・本番を分け、モデル、API、管理画面、フロント、画像、認証を確認します。
カスタムコードやプラグインが多いほど、更新前の互換性確認を丁寧に行う必要があります。
DB、メディア、設定、暗号鍵、環境変数は分けて復元します。
Cloudでも、バックアップ頻度、保持期間、手動復元の手順、障害時の連絡窓口を確認します。重要データは自社の保管方針と照合します。
Strapiのシステムに関するよくある質問
自由度が高いStrapiは、費用、移行、個人情報、運用体制について疑問が生じやすい製品です。問い合わせや稟議で確認されやすい質問を取り上げます。
Strapiは無料で使えますか?
Communityをセルフホストする場合、ソフトウェア利用料を抑えて始められます。ただし、開発費とサーバーは別途必要です。
ほかに、DBや監視も別途必要になります。バックアップや更新、障害対応も、別途必要です。
Strapi Cloudではホスティング料金が発生します。有料CMS機能を使う場合は、別のライセンス費用も確認します。
既存CMSからStrapiへ移行できますか?
移行はできます。ただし、データをコピーするだけでは足りないため、HTMLと画像を洗い出します。
URLやカテゴリ、著者、公開日時、リダイレクトも洗い出します。SEOメタデータも、移行前に整理します。
Strapiのモデルへ変換するルールを作り、少量の移行、表示確認、件数照合、編集者確認を行ってから本番移行します。この手順により、公開後のリンク切れや検索順位への影響を抑えられます。
Strapiで個人情報を扱えますか?
技術的には扱えます。ただし、個人情報をすべてStrapiへ保存してよいわけではありません。
保存項目と権限を定義し、必要な情報だけ保存します。暗号化や保管場所、保持期間、削除の扱いも定めます。委託先、監査ログ、バックアップも対象です。
会員認証や決済など高い制御が必要な機能は、専用の認証・業務基盤と連携します。Strapiは公開・編集に必要な情報に限定します。
Strapiの運用を内製化できますか?
内製化はできますが、編集運用と技術運用は分けて考えます。記事登録、公開、画像管理、権限申請は社内で運用しやすい業務です。
Node.jsや依存パッケージの更新、脆弱性対応、バックアップ復元、インフラ障害、API負荷対策には、技術担当者が必要です。
最初は開発会社・ベンダーの保守を受け、手順書と監視を整えながら段階的に内製化する方法もあります。
まとめ
Strapiはコンテンツ基盤として、Webサイト、アプリ、社内ポータルへ構造化データを配信します。
複数チャネル、多言語、複数ブランド、編集部門の自律運用、外部連携を重視する案件で効果を発揮します。
Strapiは、受発注や会計などの基幹処理を単体で置き換える製品ではありません。そのため、データの正本と業務ロジックの置き場所を最初に分けておきます。
導入判断の3つの軸(目的・総額・運用責任)
発注時には、契約後の運用も見通して提案内容を評価します。
- 目的:管理するコンテンツと配信先を決めます。
- 総額:開発、移行、Cloudまたはインフラ、CMS機能、保守を含めます。
- 運用責任:更新、バックアップ、脆弱性、障害復旧の担当を決めます。
Cloud料金とCMS機能ライセンスの分離、2025年公表のCORS脆弱性、v4からv5への移行影響も、発注前に確認します。
コンテンツモデルと主要な公開フローを小さなMVPで検証します。そのうえで、権限とAPIを段階的に確認します。
フロントや移行、検索、監視、復元も、段階的に確かめます。
評価は、公開までの時間、更新ミス、開発者への依頼件数、複数チャネルへの再利用数など、業務成果で行います。
発注前の最終チェック
対象コンテンツ、利用者と権限、配信チャネルを一枚にまとめます。既存データや外部連携、公開時期、予算上限、保守体制も、あわせて確認します。
提案書では、構成図と移行方針を確認します。テスト範囲やバックアップと復旧も見ます。脆弱性対応、納品物、権利帰属も確かめます。
複数案は同じ条件で比べます。
▼関連記事一覧
・Strapiのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・Strapiのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・Strapiのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・Strapiのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
