VMware Cloudのシステム開発は、基盤の構成要素、実行先の種類、移行と運用の手順の順に押さえると、自社の業務要件に合う環境を選びやすくなります。
費用やベンダー選びの詳しい内容は、下の関連記事で確認できます。
▼関連記事一覧
・VMware Cloudのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・VMware Cloudのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・VMware Cloudのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・VMware Cloudのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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VMware Cloudのシステムの概要
VMware Cloudのシステムは、仮想マシンに加えて、ストレージやネットワークも含めて一体で設計する基盤です。認証やバックアップ、監視、障害対応も、同じ設計の中で扱います。特に、既存環境を大きく変えずに移行したい企業や、複数の業務システムを共通基盤へ統合したい企業に適しています。
VCFを中心に考える理由
VMware Cloudの中心にはVCFがあります。まずその役割を押さえると、実行先を選ぶ観点も見えてきます。
- 基盤の役割:VCFが、コンピュート、ストレージ、ネットワーク、運用管理をまとめて提供します。
- 選定時の観点:ライセンスの利用先、自社の管理範囲、業務アプリの移行単位の3点です。
これらを先に決めておくことが、システム開発の出発点になります。
2025年6月に一般提供が始まったVCF 9.0では、プライベートクラウドを一貫して運用する考え方が強化されています。対象は、データセンターやエッジ、サービスプロバイダーやハイパースケーラー上です(出典:VMware Cloud Foundation 9.0公式発表、2025年)。
なお、「VMware Cloud」を特定のクラウド上のサービスとだけ捉えると、選択肢や費用を誤って比べてしまうおそれがあります。
業務システムに向く主な理由
OSやミドルウェアを含む既存構成のまま移行できれば、アプリケーションの改修範囲を抑えられます。また、基幹システムやERP、VDIを、仮想マシンとして集約できます。開発検証環境やデータ分析基盤も、集約の対象にできます。
ネットワーク分離やバックアップも、必要に応じて共通化できます。ただし、VMware Cloudを導入しただけで自動的に安くなるわけではありません。
仮想マシン数やピーク時のCPU・メモリ使用量を把握し、停止可能時間や復旧目標も決めておく必要があります。ストレージ容量や通信量を含めて把握しないと、基盤の余剰が出たり、運用負荷が増えたりします。そのため、基盤の選定と同時に、業務要件を数値で定義しておくことが大切です。
VMware Cloudのシステムを構成する要素

構成は、仮想マシンを動かす層と、安全に運用する層に分けて考えます。具体的には、管理ドメインとワークロードドメインを分けたうえで、業務の重要度や変更頻度に応じて配置するのが基本です。
vSphere・ESXi・vCenter・vSANの役割
仮想化基盤を構成する各製品は、仮想マシンの実行、ホストの管理、ストレージの提供で担当が分かれています。役割は、次の項目で整理します。
- vSphere・ESXi:仮想化基盤の製品群であり、仮想マシンを実行するハイパーバイザーでもあります。
- vCenter:ESXiホストや仮想マシンをまとめて管理する役割で、テンプレート、権限、リソース配分、移動を扱います。
- vSAN:複数ホストの内蔵ディスクを束ねて、仮想マシン向けの共有ストレージとして提供します。
ストレージは、容量だけでなくIOPSやレイテンシも確かめます。重複排除や障害時の再構成時間も確認対象です。特に、データベースや基幹業務では、月末や締め処理などのピーク時に性能を測ります。
外部ストレージを組み合わせる場合は、バックアップ先と本番環境の障害ドメインを分ける設計が有効です。
NSX・認証・監視・自動化の役割
通信制御から自動化まで、機能ごとに担う範囲を一覧にします。
- NSX:仮想ネットワーク、ルーティング、ファイアウォール、マイクロセグメンテーションを受け持ちます。
- 認証・名前解決:DNSやNTP、Active Directory、証明書、シングルサインオンは、構築の初期から設計し、後付けにはしません。
- VCF Operations:監視、キャパシティ、コスト、ポリシー、障害の状態を把握する役割です。
- VCF Automation:申請から仮想マシンの払い出しまでを、標準の流れにそろえます。
業務システムごとにNSXの通信ルールを定めておくと、同じクラスタ内でも横方向の不正アクセスを抑えられます。自動化を進める前に、権限設計や承認フローを決めておく必要があります。決めないままだと、不要なリソースが増えたり、設定がばらついたりしやすくなります。
VMware Cloudの種類と実行先の選び方
方式は、設備の有無に加えて、運用要員やデータ所在地、契約期間などを見て選びます。既存ライセンスの扱いや拡張速度も、判断材料になります。
小規模な検証と24時間稼働の基幹システムでは、必要な冗長性や契約条件が違います。そのため、料金表の数字だけでなく、用途ごとに条件を比べることが大切です。
オンプレミスのVCF
自社データセンターにVCFを構築すると、データ所在地やネットワークを細かく管理できます。機器構成や更新時期も管理できます。既存設備を活用できれば、物理サーバーや回線の追加を抑えられる可能性があります。
機器調達や保守契約、電源・空調は、自社または委託先が担います。障害対応やライフサイクル管理も、自社か委託先が担う形になります。規制や社内ポリシーでデータを外部に置けない場合は、候補になります。
長期にわたり安定した稼働量が見込まれる場合にも向いています。物理障害への備えや交換部品の納期、災害時の別拠点も含め、クラウド方式と同じ基準でTCO(総所有コスト)を比べます。
専用マネージドクラウド
専用マネージドクラウドが合うかは、委託範囲と費用条件を見て判断します。
- サービスの形:専用環境のVMware基盤を使い、機器保守や更新の一部を提供者に任せる形です。
- 候補となる条件:運用要員を抑えたい場合や、専用ネットワークや国内データセンターを求める場合に当たります。
- 月額に含む範囲:パッチや障害一次対応、バックアップなどが、仕様書とSLAでどこまで含まれるかを確認します。
追加作業や時間外対応が別料金なら、月額が低く見えても実際の運用費は上がります。
パブリッククラウド上の専用VMware環境
既存の仮想マシンを段階的にクラウドへ移し、別のクラウドサービスや拠点と接続する方式です。設備の調達期間を短くでき、災害対策用の環境も別リージョンに用意できる点が特徴です。
専用ホストや管理プレーン、ネットワーク接続は、別々に課金されることがあります。ストレージやバックアップ、Windowsなどの追加ライセンスも、別料金になる場合があります。また、既存のVCFライセンスを持ち込めるかどうかも、契約条件に左右されます。
比べる観点は、実行場所、最低構成、課金単位、運用責任の4点です。サービス名より、この4点をそろえて見ると、条件の違いが見えてきます。
コンテナ・PaaSへの再設計
既存のVMをそのまま移す代わりに、アプリケーションをコンテナやPaaSへ作り替える方式もあります。自動スケールやリリースの高速化、クラウドネイティブな運用を優先する場合に有効です。
これはVMware Cloudへの移行とは別に行う再設計の案件です。OSやミドルウェアだけでなく、ステート管理やログ、認証まで見直します。監視やデータベース接続、障害復旧手順も対象になります。
短期の退避やデータセンター閉鎖が目的なら、まずVMを移し、その後に段階的なモダナイズを検討する進め方もあります。業務停止のリスクを抑えやすい場合があるためです。
VMware Cloudのシステム開発・移行の進め方

業務の停止条件と復旧条件を先に決め、そのあとで基盤の構成を合わせていきます。
- 現状調査で構成と依存関係を把握する
- 要件定義で停止条件と復旧条件を決める
- 方式設計とPoCで構成と移行方法を確かめる
- リハーサルを経て、移行ウェーブごとに段階移行する
- 運用を引き継ぎ、監視と復元テストを続ける
1. 現状調査と要件定義
移行の判断には、移行元の情報と業務の復旧条件が欠かせません。現状調査では、その両方を整理します。
- 稼働状況:VM一覧に加えて、CPU、メモリ、ディスク容量、IOPS、ネットワーク量、ピーク時間を集めます。
- 構成情報:OS、ミドルウェア、IP、DNS、認証、外部接続、バックアップ、監視、ライセンス、保守期限を台帳にまとめます。
- 業務要件:重要度と依存関係を整理し、RTO(復旧許容時間)とRPO(許容するデータ損失時間)を定めます。
例えばRTO 4時間、RPO 1時間と定まれば、バックアップ頻度やレプリケーション方式、復旧作業者、テスト方法まで具体的に決められます。
2. 基本設計とPoC
現状調査をもとに、管理ドメインやワークロードドメイン、クラスタ、ネットワークセグメントを設計します。ストレージやバックアップ、監視、認証は、調査で把握した構成に沿って設計します。そのうえで、依存関係をもとに移行ウェーブを分けます。
PoCは、非本番環境や低リスクの業務から始めます。確認するのは、仮想マシンの起動や名前解決、認証、外部接続、性能です。さらに、バックアップ復元や監視通知、権限分離、障害時の切戻しも確かめます。
デモが動いた時点で終えず、本番移行の手順書と判定基準まで作っておきます。
3. 段階移行と運用開始
本番切替と切替後の確認は、次の順に進めます。
- 業務時間帯やデータ同期、停止時間、利用者への告知、切替判定、切戻し期限を明文化し、少なくとも一度はリハーサルして所要時間を実測します。
- 切替後は、CPU使用率に加えて、画面応答やバッチ時間、連携遅延、エラー件数など業務側の指標も確認します。
運用開始後は、監視アラートの調整やパッチ適用、脆弱性対応を定例の作業にします。バックアップ復元テストや容量予測、費用確認も、定例の一部として扱います。
担当者が替わっても再現できるよう、構成図やパラメータ、アカウント権限、テスト結果を納品物に含めます。移行記録や障害時の連絡網、運用手順も、納品物に入れます。
VMware Cloudのシステム開発費用相場と内訳
費用は、ライセンスやクラウドまたはハードウェアの基盤、ネットワーク、ストレージといった設備面と、移行作業、バックアップ、運用保守といった作業面に分けて考えます。
VM数だけでなく、物理コア数や最低ノード数、契約期間によっても変わります。データ転送量や冗長化の有無でも、金額は変わります。
単価だけで比べると、含まれる作業や条件を見落とすおそれがあります。
▶ 詳細はこちら:VMware Cloudのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
公開料金例から見る月額基盤費
公開料金例の月額を構成ごとに並べると、基盤費の幅を把握できます。
- オンデマンド:専用ホスト4台、管理プレーン、経路制御用エンドポイントを730時間使う構成で、月額35,049.51米ドル(約526万円)になります。
- 3年割引:同じ構成の月額は、17,815.67米ドル(約267万円)です(出典:専用VMware実行環境の公式料金例、2026年確認)。
- 災害対策:2リージョンに同等環境と追加ストレージを用意する例で、月額43,373.48米ドル(約651万円)となります。
いずれも、特定地域・特定ホスト・730時間を前提にした試算です。円換算は、1米ドル=150円の単純換算で行っています。この金額は、ライセンスやOS、通信、バックアップ、監視、運用人件費を含む最終見積もりではありません。
ノード課金型サービスの考え方
ノード課金では、最低構成と契約年数による料金差を見比べます。
- 最低構成:商用プライベートクラウドは3ノードからの例が多く、パイロットでは単一ノードを使える場合があります。
- 1年契約:1ノードあたり月約70.5万円です。
- 3年契約前払い:1ノードあたり月約46.7万円、3ノードでは約140万〜212万円となります。
料金表の単価は、1年契約が1時間6.442256米ドル、3年契約前払いが1時間4.263408米ドルです。月額は730時間・1米ドル=150円で換算しています(出典:専用VMwareサービスの公式料金表、2026年確認)。
リージョンやライセンス形態、ストレージ、バックアップによって変わります。ネットワークや監視、税金も影響します。なお、最低構成のノード数を減らせない場合は、VM数に比例して安くなるとは限りません。
将来の増加分に加えて、使わない時間帯や待機系の費用も試算します。
日本企業の導入工程別の推定レンジ
費用と期間の目安は、案件の規模によって異なります。
- 現状調査・PoC・移行アセスメント:100万〜500万円が目安で、期間は1〜3か月です。
- 小規模移行:500万〜2,000万円が目安で、期間は3〜6か月です。
- 中規模のハイブリッド移行:2,000万〜8,000万円が目安で、期間は6〜12か月となります。
- 大規模・多拠点・ミッションクリティカル:8,000万〜数億円の範囲に入る場合があります。期間は12〜24か月です。
金額は、公開基盤料金と一般的な業務システムの導入工程をもとにした、2026年時点の推定です(出典:本記事の試算、2026年)。
見積もりは、仕様の複雑さや業務テストの体制、データ移行量、停止可能時間によって変わります。見積書は、設計から運用保守までの工程ごとに分け、月額と初期費用を混ぜないようにします。
VMware Cloudの開発会社/ベンダーの選び方
開発会社やベンダーは、知名度や見積総額だけでなく、実行方式、移行対象、運用範囲、業務理解の観点で比べます。
基盤を構築できても、アプリケーション間の依存関係や利用部門の受入テストを管理できなければ、移行後に問題が残ります。そのため、構築の力に加えて、業務側の受入まで扱えるかを確認します。
VCF 9.0対応と技術範囲の確認
ベンダーの対応力は、技術や運用、実行の面から判断できます。
- 技術とライセンス:VCF 9.0への対応、サブスクリプション型ライセンス、管理・ワークロードドメインの設計経験を見ます。
- 製品範囲:vSAN、NSX、Operations、Automationのうち、どこまで対応できるかを確かめます。
- 運用分担:ネットワークやDNS・NTP・証明書、認証、復元、監視、脆弱性対応について、担当を文書で定めます。
- 実行力:提案内容と担当エンジニアの経験が合っているかを確認します。
「構築可能」という回答を受けたら、設計書のサンプルやテスト項目も確認します。障害時のエスカレーションの流れも確かめておくと、対応力の差が見えてきます。
2026年時点では、VCF 9.0およびvSphere 9系で、従来の25文字ライセンスキーから移行する運用が示されています。移行先は、サブスクリプション型ライセンスファイルです(出典:VMware製品の公式ライセンス運用資料、2026年)。
見積もりの前提と運用責任の比較
費用の前提と運用条件は、同じ基準にそろえて比べます。
- 見積項目:ライセンス、基盤、ストレージ、通信、バックアップ、移行、テスト、教育、月次運用を、行ごとに分けて書きます。
- 比較条件:最低ノード数や契約期間、割引失効、為替、転送料、時間外作業、障害対応を確かめ、3年または5年のTCOで比べます。
- 運用責任:パッチ承認や脆弱性修正の期限、バックアップの保持、復元テストの頻度、障害受付時間、SLA違反時の扱いを、契約に盛り込みます。
- 引き継ぎ:特定の担当者だけが設定を知っている状態を避けるため、構成図と手順書を納品物に含めます。
契約前に聞くべき質問
契約前の確認は、契約条件や移行、運用、文書化、変更管理に分けて聞きます。
- 契約:ライセンスの契約主体と更新方法、最低ノード数はどうなっていますか。
- 移行条件:許容停止時間、切戻し判断者、既存IPやL2接続の扱いはどうしますか。
- 継続運用:復元テストの頻度と、保守終了後に別環境へ移す手順はありますか。
- 文書化:口頭だけでなく、提案書、構成図、作業分担表、SLA、前提・除外事項に残せますか。
- 変更管理:要件定義後の追加要望を扱う手続きを確認します。仕様凍結後の無制限な変更は、納期と費用を膨らませます。
▶ 詳細はこちら:VMware Cloudのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:VMware Cloudのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
▶ 詳細はこちら:VMware Cloudのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
セキュリティと運用設計の確認項目

セキュリティは、製品の機能だけでなく、操作権限やデータの保管場所、障害時の復旧方法まで含めて設計します。
公共・金融など説明責任の大きい案件では、事業者の登録状況や監査報告、データ所在地を確認します。準拠法やインシデント報告の期限も、そこに加えます。
権限・ネットワーク・ログの分離
権限、通信、監査ログは、それぞれ管理策を分けて整理します。
- 権限管理:管理者やネットワーク、バックアップ、業務アプリの担当を分け、多要素認証や特権ID承認を行います。
- ネットワーク分離:NSXのルールを、業務単位と開発・検証・本番の環境単位で見直します。
- ログ監視:異常な操作や、バックアップ・VMの変更を検知します。
検知対象は、認証失敗や権限変更、ファイアウォールルールの変更です。バックアップ失敗や仮想マシンの作成・削除も対象に含め、誰がいつ確認するかを決めます。
操作ログの保管や、退職・異動時のアカウント停止も、手順に組み込みます。監査用ログの保持期間と改ざん防止は、要件定義で数値として決めます。
バックアップ・BCP・DRの実効性の評価
バックアップは、取得できるだけでなく、必要なときに復元できるかで評価します。復元と災害時の切替が実行できるかを、準備と試験の観点から確かめます。
- 復元可能性:保持期間や暗号化、別アカウント・拠点への保管、ランサムウェア対策、復元の優先順位を定めます。
- 復元テスト:本番開始前に試験し、RTOと実際の復旧時間を比べます。
- DR・BCP:DRを別リージョンに置く場合は、待機・転送費、DNS切替、認証の継続、業務側の確認者を含めて試験します。
- 連絡と判断:二拠点を置いたら終わりとせず、災害発生から復旧までの連絡網と判断基準を実地に確かめます。
VMware Cloud導入で起きやすい失敗と対策
失敗は、基盤そのものより、前提条件の見落としや運用設計の不足から起きます。移行前の性能測定や業務部門の参加、切戻し条件、追加費用の確認が足りないと、稼働後に問題が表面化します。
性能の平均値だけで判断する失敗
平均値だけで見ると、ピーク時の負荷が見えにくくなります。
- ピーク測定:月末バッチや朝の集中アクセスを含め、平常時・ピーク時のCPU、メモリ、IOPS、ネットワーク遅延、応答を測ります。
- 移行後の比較:同じ指標で測定し、アプリケーション担当者と基盤担当者が同じダッシュボードを見られるようにします。
- 原因の切り分け:ノード追加で解決するとは限らないため、ストレージ遅延やDBロック、外部連携、DNS・認証遅延まで調べます。
月額料金だけで判断する失敗
月額基盤費が安く見えても、ライセンスやバックアップ、通信が別料金なら、TCOは上がります。監視やWindows、運用保守、障害対応も別料金なら、その分だけ増えます。
導入初年度に加えて、契約更新や為替変動、ノード追加、DR有効化、保守終了後の移行まで試算します。
見積もりを比べるときは、VM数だけでなく、可用性やRTO・RPO、監視時間、バックアップ保持期間を同じ条件にそろえます。条件がそろわないと、安く見える案に必要な作業が抜けている可能性があります。
ドキュメント不足による切替えの難しさ
構成や運用のノウハウが担当者の頭の中だけに残ると、契約更新や担当変更のたびに依存度が高まります。そのため、構成図や設定値、アカウント一覧、運用手順を納品物として残し、障害履歴や復元結果、移行記録も管理します。
将来の移行方法も、契約の前に確かめておきます。仮想マシンのエクスポートやデータの取り出し、ネットワークの再設計、ライセンスの返却、ログの保管方法を整理すると、特定の環境に閉じ込められるリスクを下げられます。
VMware Cloudのシステムに関するよくある質問
導入前によく寄せられる質問を取り上げます。契約や構成は案件ごとに異なるため、ここでの回答は確認項目として使い、要件定義書と見積書で確定させます。
既存のVMware環境はそのままクラウドへ移せますか?
多くの環境では、仮想マシンを活用した段階移行を検討できます。ただし、ネットワークやIPアドレス、外部連携、ライセンスが移行先で成り立つかの確認が必要です。ストレージ性能やバックアップ方式も、確かめておく項目です。
依存関係とピーク性能を調べ、非本番環境で通信・認証・復元を試験します。なお、アプリケーションを改修しなくても、DNSや接続先が変わる場合があります。そのため、切替手順と切戻し条件を用意します。
VMが少ない企業でもVMware Cloudは向いていますか?
少数VMでは、導入目的と長期費用を照らし合わせて、適否を判断します。
- 候補となる目的:短期の拠点閉鎖や運用要員の削減、災害対策が必要な場合に当たります。
- 費用の確認:最低3ノードといった構成のため、少数VMでは1VMあたりの費用が高くなる可能性があります。
- 比較方法:現状調査とPoCで、更新費や人件費、バックアップ費、障害対応費を含むTCOを比べます。
- 将来条件:月額だけでなく、VMの増加やDRの有無まで含めて判断します。
既存のライセンスをクラウドへ持ち込めますか?
持ち込みの可否は契約条件で確認し、関連費用は分けて見積もります。
- 持ち込み条件:契約や製品エディション、契約主体、実行先サービスによって、可否が決まります。
- 対象範囲:VCFをポータブルに使えるサービスがある一方で、対象外のソフトウェアやOSは別契約になる場合があります。
- 文書確認:移行先や物理コア数、契約期間、サポート範囲を、文書で確かめます。
見積書では、VMwareやWindows、バックアップ、監視を別の行に分けます。そうすると、二重計上や未計上を防げます。
導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
導入期間の目安は、移行規模や運用条件によって変わります。
- 現状調査:1〜3か月が目安です。
- 小規模移行:3〜6か月、中規模の業務連携を含む移行は6〜12か月が目安です。
- 大規模な条件:多拠点、複数リージョン、厳しい停止条件、24時間運用を含む場合は12〜24か月かかることがあります。
期間は、VM数に加えて、依存関係の複雑さやデータ移行量で変わります。業務部門のテスト時間や回線開通、ライセンス確認、切替リハーサルも影響します。
一度に移すより、ウェーブごとの完了条件を定めておくと、リスクを管理しやすくなります。
まとめ:要件・費用・運用を一体で考えるVMware Cloudの設計
VMware Cloudは、既存の仮想マシンを活かしながら、計算資源やストレージ、ネットワークを統合する基盤です。認証やバックアップ、監視、運用も、同じ基盤の中で扱います。
VCFの実行先に加えて、管理範囲やデータ所在地、RTO・RPOを決めます。さらに、最低構成や契約期間、将来の切替え方法まで定めると、自社に合う方式を選べます。
費用は、公開料金例の月額だけでなく、TCOで比べます。TCOには、ライセンスや移行、通信、バックアップ、運用保守、DRを含めます。
導入前には、現状調査から始め、非機能要件を数値で定めます。そのうえで、PoCや段階移行、復元テストを行い、設計書と運用手順を用意します。そうすると、業務停止と将来のロックインを抑えられます。
導入前に確認するチェックポイント
ライセンス形態と契約期間、最低ノード数、通信やバックアップ、OSなどの追加費用を確認します。RTO・RPOと復旧テストに加えて、データ所在地や監査要件、設計書と切戻し計画、保守終了時の移行方法も、ここで見ておきます。
ここまでの項目を提案書と契約書に明記できれば、導入後の認識違いを抑えられます。
小さな検証から段階的に広げる進め方
まずは低リスクの環境で、性能や通信、監視、復元、切戻しを確認します。全社の基幹システムは、その検証を経てから移す形になります。
判定基準を満たしたウェーブから、順に本番へ広げます。利用部門と基盤担当者が同じ評価指標を持つことで、業務を安定して続けられるようにします。
▼関連記事一覧
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
